IPoEとPPPoEの2セッションを併用する構成(NEC IX2106使用)

ネットワーク

現在我が家のネット回線は楽天光を契約し、IPoEを使用していました。
しかし、IPoE環境では基本的にFTPなどの通信に関しては制限がかかるとのこと。
今回FTPを使用するニーズが生じたため、IPoEとPPPoEの2セッションを併用する構成を検討し、構築してみました。

一般的なIPoEとPPPoEの併用構成

基本的にIPoEとPPPoEをそれぞれで使用するには、ONU直下にSWを挟んで、そのSWからIPoEとPPPoEのそれぞれのルータへ接続してやります。
↓基本的なIPoE、PPPoE併用構成

今回構築したIPoEとPPPoEの併用構成

今回作成した構成ではルータ自体にHUBポートがあるNECのIX2106を使用して下記のような構成としました。
・無線RTでIPoEを設定し、ホームネットワーク内では基本的に無線で高速通信を利用
・一部の端末(FTPやポートフォワード利用)のみPPPoEの回線を利用
↓今回構築したIPoE、PPPoE併用構成

この構成ではIXルータがONUからの信号をPPPoEルータとIPoEルータへ分岐するSWの機能とPPPoEルータの機能を担当しており、ホームネットワーク内に設置する機器数を減らすことができます(これ以外にも1つのルータでIPoEとPPPoEのそれぞれの設定をするとか、PPPoEのパススルーとかありますが、あくまで今回はルータのSW機能をいい感じに使用するだけの構成)

具体的な設定です。
  1. IXのHUBポート1,2,3のみを同一VLANとする設定を行います。
  2. ONUからのケーブルをNECのIXルータ2106のスイッチングハブポート(ポート2)へ接続します
  3. IXのハブポート(ポート3)から無線ルータへ接続し、無線ルータはIPoEの設定とします。これにより、高速な無線インターネット接続が可能となります。
  4. IXのハブポート(ポート1)から自身のWANポートへ接続し、IXのWAN(実際はGE0)へはPPPoEの設定とします。この設定により、IXルータ自体はPPPoE用のルータとして動作します。
  5. IXルータの残りのポート(ポート4)へPPPoE回線のクライアント端末を接続します。なお、クライアント端末へ動的にIPアドレス払い出しのためDHCPサーバの設定も入れています。

PPPoEを併用することで、PPPoE回線を使用するクライアント端末はFTPなどの通信も行えます。
通常のホームネットワーク構成の場合下記のような感じになると思いますが、
IPoEを使用していて、PPPoEへ切り替えたい場合はいちいち設定変更が生じてしまいます。

IPoEとPPPoEの併用構成を構築しておくことで、気軽にIPoEとPPPoEを使い分けることができます。

なお、IXルータの設定です。

! NEC Portable Internetwork Core Operating System Software
! IX Series IX2106 (magellan-sec) Software, Version 10.8.21, RELEASE SOFTWARE
! Compiled Jun 20-Tue-2023 12:32:20 JST #2
! Current time Nov 01-Wed-2023 22:52:49 JST
!
timezone +09 00
!
logging buffered 131072
logging subsystem all warn
logging timestamp datetime
!
username admin password hash xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx administrator
!
!
ip ufs-cache enable
ip route default GigaEthernet0.1
ip dhcp enable

!
!
bridge irb enable
!
!
proxy-dns ip enable
proxy-dns interface GigaEthernet0.0
!
!
!
ppp profile [プロファイル名]
  authentication myname [ID]
  authentication password [ID] [PW]
!
!
ip dhcp profile dhcp-profile
  assignable-range 192.168.100.2 192.168.100.100
  default-gateway 192.168.100.1
  dns-server 192.168.100.1
!
device GigaEthernet0
!
device GigaEthernet1
  vlan-group 2 port 1 2 3
!
interface GigaEthernet0.0
  no ip address
  shutdown
!
interface GigaEthernet1.0
  description LAN
  ip address 192.168.100.1/24
  ip dhcp binding dhcp-profile
  no shutdown
!
interface GigaEthernet0.1
  encapsulation pppoe
  auto-connect
  ppp binding [プロファイル名]
  ip address ipcp
  ip napt enable
  no shutdown
!
!
interface Null0.0
  no ip address
!
system information lan 1 GigaEthernet1.0
!
web-console system information

使用機器等一覧

回線:楽天ひかり
PPPoEルータ兼SW:NEC UNIVERGE IX2106(リンク先はIX2105中古となっています。2106の中古は品薄なため)
無線RT:バッファロー WSR-3200AX4S

 

その他

余談ですがIPoEとPPPoEの速度比較です。
上がIPoE,下がPPPoEです。
測定サイト:https://speedtest.gate02.ne.jp/
もちろん測定県域や時間帯によって速度は変化しますが、
意外とPPPoEでも速度が出ていました。時間帯によっては10分の1になったりしますが・・・・

↓IPoE速度測定

↓PPPoE速度測定

コメント

  1. 通りすがり より:

    GE0とGE1を電線でつないでいるのが引っかかります。
    ONUをGE0だけにつないで、GigaEthernet0.0とGigaEthernet1:2.0を同じブリッジグループに設定するんじゃダメですか?

    それよりむしろポートVLANをやめてデスクトップPCをGE0につないだ方がすっきりしそう。
    GE0をLANに、GE1をWANに使用で。